PAPAの独り言

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光免疫療法とはー費用は? 実用化はいつ?ー小林久隆 楽天


楽天が医療分野に参入!XJAPAN YOSHIKI が、、、光免疫治療法、近赤外線で!

国立衛生研究所(NIH)の小林久隆さんという日本人の研究者が開発した「光免疫療法」が、ガンに対する従来の三大療法(手術・薬・放射線)に代わる「第四の治療法」として非常に期待されているようです。

凄く気になったので、ネットでいろいろ調べてみました。まだ開発途中の治療法なので、情報は非常に少ないですが。今回も備忘録を兼ねて個人的に印象に残った話などをまとめてみます。

光免疫療法とは?

光免疫療法ではがん細胞と結合する「抗体(たんぱく質)」に、近赤外線に対して反応する「化学物質」をくっつけた状態のものを、ガン患者に注射します。注射すると、血液をめぐり体中のガン細胞にその薬が結合します。そしてその結合した箇所に光(近赤外線)を当てると、化学物質が反応し、がん細胞の細胞膜を壊し、がん細胞が死滅していく、という仕組みになっています。

注射して体内に入った化学物質は光を当てなければいずれそのまま体外に排出されるので、無害なのだそうです。

※近赤外線はテレビのリモコンから出る光と同じです

光免疫療法の費用

気になる光免疫療法の費用についてですが、開発者の小林久隆さんによると、「IR700を付けた抗体が一番費用がかかる部分ですが、使う量が大したことないので、そんなにお金はかからない。近赤外線は、レーザー1台あればいくら使っても減るものではありません。」とのこと。

保険適用されないとしても、約100万〜200万円くらいの費用になる予定のようです。一般的な抗癌剤治療の場合、一ヶ月で数百万円かかることもあるそうなので、比べるとかなり安くなります。保険適用されれば、高額医療制度もあるので、実際の患者さんの負担額は数万円くらいに抑えられるそうです。

光免疫療法の実用化はいつ?

光免疫療法の実用化がいつなのか、詳細はまだわかっていませんが、小林久隆さんによると、「3〜4年後くらい」のようです。

光免疫療法のメリット

光免疫療法のメリットは、従来の三大治療法と比べて、副作用が非常に小さいことです。第一に、「ガン細胞にくっつきやすい抗体」を使うことで、正常細胞を壊す可能性が低くなります。第二に、「正常細胞に抗体がくっついた」としても、光を当てなければ正常細胞を傷つけることはありまえん。

また、上記のメリットのおかげで、ガン細胞周辺の免疫細胞(正常細胞)が生き残ります。そして、生きている免疫細胞が活発化されて、残っているガン細胞をやっつけてくれる確率が高まります。逆に三大療法は全て免疫力をかなり低下させます。免疫細胞が生き残る(免疫力が低下しない)ということは、転移や再発の予防にも繋がるはずです。

更に、即効性がある、というメリットもあります。治療を行った翌日にはガンの腫瘍が死滅するという臨床結果もあります。

また、上述したように、光免疫療法の費用は抗癌剤治療に比べて安くなると言われているので、治療の費用も大きなメリットになると思います。

光免疫療法のデメリット

もちろんメリットだけではありません。デメリットもあります。

まず、光免疫療法が効くのは「固形がん」に限ります。白血病悪性リンパ腫、多発性骨髄腫のような「血液がん」には効果はありません

それから、即効性があり効果があり過ぎて副作用が出るケースがあります。例えば、動脈の周りに出来たガンに光免疫療法を行うと、すぐにそのガン細胞が死滅します。その際に、動脈を支えていたガン細胞が消えてしまうことによって、出血することがあるのです。これは理論的な話ではなく、実際に臨床治験を行った際に出血して死亡された患者さんがいます。

ガン細胞を大量に死滅させた時の副作用

ちなみに、以前下記の記事(『ガンは5年以内に日本から消える!』の備忘録記事)にも書きましたが、光免疫療法に限らず、短期間でガンを大量に死滅させる治療(凄く効く治療)をすると、腫瘍崩壊症候群になり重篤な症状を引き起こし、最悪の場合は死にいたることもあるので、効果の高い治療を受ける時は注意した方が良いそうです。ガン細胞も自分の体の一部です。自分の体の細胞が大きく損傷すれば、当然のことながら悪影響がある、ということだと思います。

papa365.hateblo.jp

ベンチャーの製薬会社だから出来ること?

光免疫療法の実用化を目指しているアスピリアン・セラピューティクス社は、アメリカの小さなベンチャー会社です。楽天三木谷社長が、同社の会長を務めているそうです。日本の大手製薬会社だと、既に利益を出している抗がん剤などと競合する薬を支援するのは、あまり乗り気にならないのではないかな、と個人的に思います。光免疫療法がうまくいき、既存の抗がん剤で利益を得ている大手製薬会社も、「副作用の少ない治療法」の開発にシフトしていくと良いですね。

光免疫療法の今後

費用の詳細や、治療が開始される時期など、まだ決まっていないことがいろいろありますが、光免疫療法が今後どのように進展していくのか、とても気になります。また、新しい展開があれば、ブログにも書かせてもらうと思います。

こういった副作用の少ない治療法を支援する会社や投資家が、どんどん増えていくと嬉しいですね。

光免疫療法の詳しい話を知りたい方にオススメの書籍

がん光免疫療法の登場──手術や抗がん剤、放射線ではない画期的治療

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