小学生の算数の勉強法・教え方とオススメの算数問題集~計算・図形・文章題~
小学生の子供に算数を教える時に、たくさんの問題集や参考書、ネット情報を調べてみました。そして、実際に試行錯誤してみて「これなら算数ができるようになる」と思ったことを書きます。
- そもそも何のための算数なのか?
- 算数の勉強法・教え方の基本
- 子供にやる気を出させるための方法
- 小学校の算数を分解する
- オススメの算数問題集・ホームページなど
- 受験勉強は受験以外のことにも役立つ
- おわりに
- 小学生の国語の勉強法・教え方とオススメの問題集
そもそも何のための算数なのか?
小学校の国語の勉強法に関する記事でも同じことを書きましたが、勉強はあくまでも「手段」です。手段よりも大切なのは「目的」です。何のために自分の子供は「算数」を勉強しなくてはならないのか? そこが重要だと思います。うちの場合、算数を勉強させる最大の理由は「受験に合格すること」です。そして、もうひとつは、「将来の進路を増やすこと」です。あと、細かいことを言うと算数の文章題を解くことによって、算数をやりながら「国語力」も身につくと考えています。
「将来の進路を増やす」というのは、「理系の道も選べるようにしておく」という意味です。算数(数学)が苦手な子供は、(本当は理系の仕事が合っていたとしても)理系の道を選ぶことができません。もちろん「絶対に理系の仕事はしない!」「私は将来スポーツ選手になる」「芸術家になる」など、算数(数学)が必要ない道を進むことが完全に決まっている子供は、そんなに勉強しなくていいと思います。
要するに、人によって「どのくらい算数が必要か?」が変わってくる、ということです。ですので、当然のことながら子供によって勉強する量や方法も多少変わってくるかと思います。「算数の勉強法」についての本などを読むと、様々なテクニックや情報が書かれていますが、それがそのまま自分の子供に向いている方法とは限りません。手間がかかりますが、やはり、試行錯誤しながら自分の子供に向いている「マイ勉強法」を地道に見つけていくことが、最も効率よい方法だと思います。
算数の勉強法・教え方の基本
算数の勉強法・教え方の基本は下記のようなものになります。
- 教科書の内容(最低限の基本事項)をマスターする
- 同じ問題を徹底反復(繰り返し解く)する
- 間違った箇所は「どこがわからないか」を親が確認しながら教える
まず第一に、小学校の教科書というのは税金が使われていて、非常の多くの時間や労力を費やしています。大学の教授など専門家が何人も集まって、「どうすれば子供達に算数を分かりやすく面白く学んでもらえるか?」「実生活との結びつきをどう教えるか?」など、最新の教授法に基づいて丁寧に作られた教材が、小学校の教科書なんです。しかも、高校受験(又は高専受験)というのは、基本的に教科書の内容からしか出題しません。ですので、教科書の内容をマスターしておけば、大抵の高校には合格できる実力がつくはずです。
それから、問題を解くときは、一冊の問題集を何度も何度も繰り返し解くことをオススメします。その方がお金もかかりませんし、効率が良いです。違う問題をどんどん解くのは、時間に余裕がある時だけでよいと思います。
また、これも凄く大事なのですが、間違った問題は答をただ教えるのではなく、「なぜ間違ったのか?」を徹底追及する必要があります。なぜ間違ったかが分からないと、全く同じ問題は解けても、少し違った問題や応用問題を解くことが出来ないからです。
子供にやる気を出させるための方法
子供が自発的に自ら勉強してくれたら最高ですが、なかなかそうはいかないと思います。子供にやる気を出させるための方法としては、下記の方法があります。
- ご褒美をあげる
- やるべきことを減らす
それでは、この2つのやる気を出す方法について、詳しくみていきましょう。
ご褒美をあげる
まず、「ご褒美をあげる」ですが、これは賛否両論あります。勉強することに対して何かを与えていると、「何かをもらえなかったら、何にも勉強しない子になるのでは?」という心配があるのです。これについては、僕はあまり気にしていません。なんらかのご褒美を与えることで、勉強してくれるのであればラッキーです。というのも、大人も一緒だからです。お金がもらえないのに仕事をする人はいません。というか、それは仕事ではなくボランティアですし、本格的なボランティアはお金持ち以外の人には継続できません。「大人がお金をもらって仕事をすること」と、「子供がご褒美をもらって勉強すること」は基本的に全く同じことだと思います。
ちなみに、「ご褒美を与えた方が学力が伸びる」というのは、教育経済学の専門家が書いたベストセラー本『「学力」の経済学』にも書いてあります。僕が個人的に思っているだけでなく、統計的なデータとして科学的な説がきちんとあるんです。『「学力」の経済学』の中で、「アウトプット(テストで良い点を取る)ことよりも、インプット(日々の勉強)に対してご褒美を与えた方が伸びる」と書いてありましたが、それはうちの子には合いませんでした。ですので、ご褒美の与える頻度や、ご褒美の種類など、細かい点については、ご家庭でいろいろ試行錯誤することをオススメします。
勉強のご褒美にお金をあげてもいい?
また、僕は「ご褒美は物ではなく、お金でもよい」と考えています。これも、先ほど述べた理由と全く同じです。大人は「お金のために仕事をする」のですから、子供だって「お金のために勉強をする」ということで全然問題ないと思うんです。ちないに、我が家では、問題集を一冊完全に解けるようになったら、少しだけお金を与えることにしています。これも僕だけの意見ではありません。
京大にご自分の息子さん3人を全員合格させた宝槻泰伸さんも、ご家庭での教育で、「本を読んだらお金をあげる」ということを実践し、結果を出しています。もちろん、最初から「自ら勉強できる」子供にそんなことをする必要は全くありません。ですが、「お金で子供を釣るなんて。。」というネガティブなイメージや先入観は、いったん外してみて、ゼロから教育法を考えることが大切だと思います。宝槻泰伸さんは、下記の著書を出版されています。単純に、個性的な人の人物伝として非常に面白い本なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話 (一般書)
- 作者: 宝槻泰伸
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2014/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自伝的な漫画もあります。こっちの方がコンパクトで読みやすいかもしれません。
とんでもオヤジの「学び革命」: 「京大3兄弟」ホーツキ家の「掟破りの教育論」
- 作者: 小出真朱,宝槻泰伸
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/06/06
- メディア: 単行本
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やるべきことを減らす
やる気を出すための、もう1つの方法は「やるべきことを減らす」ことです。学校・塾など1人の先生が複数の子に勉強を教えるやり方だと、どうしても非効率な「無駄」が出てきます。例えば、A君は割り算が苦手で、B君は割り算が得意だったとします。そして、クラスの大勢が割り算が苦手だったときに、先生が割り算を集中的に教えます。すると、A君にとっては非常にありがたい授業になりますが、B君にとっては非効率な「無駄」な授業になってしまいます。やるべきことが、どうしても多くなりやすいシステムなんです。
ですが、家庭の場合、自分の子供に合った勉強をすることが出来ます。これが家庭教育の最大のメリットです。もちろん、1対1の個人指導であれば、塾でも可能です。やるべきことを最小限に抑えることができます。子供が得意で既にマスターした項目はそれ以上勉強する必要はありません。逆に、苦手な分野は、他のことよりも時間をかけて、何度も繰り返し問題を解く必要があります。
やるべきこと(勉強の量)を最小限に減らすことができると、子供は最小限の勉強に集中して取り組むことが出来ます。やる気を継続することができます。「継続できる」ということは、何よりも大切なことです。1日だけ「死ぬ気でがんばる」よりも、1年間ずっとコツコツ続けることの方が、勉強が身につきます。
小学校の算数を分解する
「小学校の算数」と一口に言っても、内容は様々あります。具体的には下記の三つに分かれると思います。
- 計算問題
- 図形問題
- 文章題
それでは、それぞれの勉強法・教え方について詳しく見ていきましょう。
計算問題の勉強法・教え方
計算問題ですが、まず最初にやることは、低学年であれば、100ます計算をオススメします。最も基本的な計算である、足し算・引き算・掛け算などを徹底的に反復して、制限時間内に解ける(素早く解く)ことを目指します。
また、できるだけ、計算の意味(3×4=12は具体的に、どういうことか?など)も確認しながらやることをオススメします。ただし、1年生くらいだと計算の意味を理解するのが難しい場合もあるかもしれません。そういう場合は、とりあえず意味は横に置いておいて、計算のスピードをあげることを優先しても良いと思います。学年が上がるにつれて、徐々に計算の意味もしっかり教えてあげると、様々な種類の問題に対応する力が身につくと思います。
小学校高学年になったら、全ての計算について、きちんと意味を理解させた方が良いと思います。実は、計算の意味があやふやだと、文章題でつまづく可能性が高くなります。文章題も結局最後は計算で解くからです。そういう意味でも、思考力が高くなる高学年では、計算のスピードよりも計算の意味を理解することを重視することをオススメします。もちろん、意味が理解できて、更に計算スピードが早ければ最高ですが。
図形問題の勉強法・教え方
図形問題に関してですが、うちでは特に意識的に変わった勉強は何もしていません。ですが、問題は普通に解けます。ですので、難関中学などを受験するようなご家庭でないのであれば、教科書の問題や学校のワークなどの宿題をきちんとやっておけば、問題ないかと思います。
図形問題を間違ったときは、親が図を書いたり、紙を切って実際の形を見ながら具体的に教えてあげることで理解が深まると思いますし、楽しく勉強できます。
文章題の勉強方・教え方
うちの子は文章題が最も苦手です。ですので、文章題の勉強には力を入れてやっています。文章題を得意になるには、一冊の文章題の問題集を買って、それを何度も繰り返し解くことをオススメします。
そして、国語の文章問題を解くときと同じですが、できれば親が一緒に隣に座って、「何が分からないの?」「問題の意味は分かる?」「図や表の意味は分かる?」など、子供が何が理解できていて、何が理解できていないかをじっくり調べます。
それから、理解できていないことに関して、ひとつひとつ教えていきます。僕がいつもやっているのは、「数を極端に小さくして教える」というやり方です。例えば、問題で「345円」となっていても、教える時には「10円」とか小さくて計算しやすい金額にして教えることがあります。小さい数で理解できたなら、数をどんなに大きくしても解けるはずだからです。
最も大切なのは、親自身が算数を理解することだと思います。僕もうろ覚えの知識や計算などがあったので、改めて問題を解いて確認してから、子供に教えるようにしています。親が理解できないことを、子供に教えることは出来ないからです。親が理解するためには、学校の教科書を親が読んだり、子供が解いている問題を親も一緒に解くのが良いと思います。
オススメの算数問題集・ホームページなど
算数の問題集
算数の問題集の基本は小学校の教科書と、学校のワーク(ドリル)です。まずは、それをきっちりやりましょう。それで、更に余裕があるなら下記のような問題集をオススメします。
陰山メソッド たったこれだけプリントシリーズ
陰山メソッドの「たったこれだけプリントシリーズ」では、学校の教科書と同じ内容を非常に少ないページ数に凝縮してあります。無駄を徹底的にはぶいてあるので、必要最小限の勉強を効率的にできるので、時間に余裕の無い場合にもオススメです。このシリーズは1冊で1学年の全ての教科を学べて、値段も500円と安いです。低学年版では100ます計算も載っています。学校の勉強の総復習をまとめて行うことも出来ます。
※高学年は新版が新しく出ているようなので、できるだけ新版を買いましょう⇒低学年もいずれ新版が出るかもしれませんね
陰山メソッド「1年生の国語・算数 たったこれだけプリント」 (コミュニケーションMOOK)
- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/03/13
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陰山メソッド「2年生の国語・算数 たったこれだけプリント」 (コミュニケーションMOOK)
- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/03/13
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陰山メソッド「3年生の国社算理 たったこれだけプリント」 (コミュニケーションMOOK)
- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/03/13
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新版 陰山メソッド 4年生の国社算理たったこれだけプリント (コミュニケーションMOOK)
- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 小学館
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新版 陰山メソッド 5年生の国社算理たったこれだけプリント (コミュニケーションMOOK)
- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 小学館
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新版 陰山メソッド 6年生の国社算理たったこれだけプリント (コミュニケーションMOOK)
- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/02/15
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Z会グレードアップ問題集 文章題シリーズ
Z会の『グレードアップ問題集』の算数文章題のシリーズは非常にオススメの問題集です。僕は子供に与える問題集を選ぶのにネットの情報と、書店で実際に立ち読みして比べてみましたが、算数文章題の問題集としては、Z会のグレードアップ問題集が一番良いと思います。この問題集の特徴は下記になります。
- カラーでレイアウトも見やすい
- 分量が丁度良い(多すぎず少なすぎず)
- 考えなければ解けない問題が多い
まず第一に、見た目がよくて見やすいです。これは、単純に問題文を読みやすいというだけでなく、「見た目が良いとモチベーションが高まる」という理由もあります。微々たるものかもしれませんが、問題集のデザインが良いことによって、子供のやる気を高める効果があると思っています。また、分量が丁度良いので、負担なく少しずつ取り組んでいくことが出来ます。
そして、最も重要なことですが、「考えなければ解けない」問題が多いです。教科書の問題だけだと「本当に理解できているのか?」という疑問が残るところもあるのですが、この問題集だと「きちんと理解して、頭を使わなければ解けない」問題が多いです。ですので、この問題集をきっちりこなせば、「算数力」だけでなく「思考力」も身につくと思います。一石二鳥なので、学校の問題だけでは物足りないお子さんや、もう少し応用的な問題を解かせたい場合は、ぜひやってみてください。
Z会グレードアップ問題集 小学4年 算数 文章題 (Z会小学生わくわくワーク)
- 作者: Z会指導部
- 出版社/メーカー: Z会
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: 単行本
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小学生の算数おすすめホームページ
ぷりんときっず
ぷりんときっずは、小学生や未就学児のための無料プリント配布サイトです。算数だとほとんど全ての単元に関する問題のプリントを無料でダウンロードし、家庭でも印刷が可能です。100ます計算のプリントもあります。また、算数だけでなく国語もありますし、未就学児のお子さんのためのプリントもたくさんあります。家庭学習全般について、非常に役立つホームページですので、まだ利用したことがない方はぜひ一度見てみてください。
受験勉強は受験以外のことにも役立つ
これも、国語の勉強法の記事で書いたことですが、僕は「どんなことでも本気でやれば生きる力や自信になる」と思っています。ですので、学校の勉強や高校受験の勉強も、全力で取り組めば、それは必ず後で役立つはずです。例えば、国語の勉強を本気でやれば、語彙力や論理的思考力が身につくと思いますが、それらの力は別に受験以外のことにも役立ちます。算数や数学を本気で学べば、論理的思考力や数理的思考力が身につき、子供が進路を選ぶ時に理工系の道を選ぶことが出来るので、選択肢が広がります。
そして何よりも「何でもやればできる!」と子供が自信を持つことが、凄く大切だと思います。「やればできる!」というのは、根拠の無い自信ではなく、小さな成功体験(実績)の積み重ねで創り上げるものだと思います。ですので、その後の進路のためだけでなく、子供の内面的な成長のためにも、勉強することが役立つはずです。
おわりに
いろいろ書きましたが、あくまでも「我が家での勉強法」です。参考になれば、もちろん嬉しいですが、「ブログで書いてることも試してみたけど、うちには合わないな」と思えば、また違う方法を試してみてくださいね。
算数の勉強は「手段」ですが、もちろん「受験」も子供の未来を切り開くための「手段」です。本当の本当の「(最終)目的」は子供の幸福な毎日と未来です。勉強し過ぎて、子供の遊ぶ時間がなくなってしまったり、ストレスがかかり過ぎないように、メリハリをつけてあげることなども、工夫していかなければ、と日々感じています。
また、よかったら、オススメの勉強法や、問題集など、情報がありましたら、教えてください。
小学生の国語の勉強法・教え方とオススメの問題集
小学生の国語の勉強法・教え方やオススメの問題集を知りたい方は下記の記事をご覧ください。